〜12日目〜「愛に溢れた出会い(函館ー札幌)」

12日目

ミヤシタさん、ミウラさんに青森のフェリー乗り場まで送って頂いて3時間後。

遂に津軽海峡フェリーに搭乗。

渡航時間の3時間は寝る!と決めていたけど、一応船内を散策しました。

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へぇー、こんな感じなんですね...!

はい、では、おやすみなさーい。

爆音のアラームみたいな船内放送で熟睡のところを降ろされ、無事函館ターミナルに上陸。

着いたのは2:00過ぎ。

ここから外に出ても何もないし、めっちゃ寒いので、このまま24時間解放のターミナルで朝まで寝て待つことに。

他の渡航者もイスで寝てる人多かったです。

朝、目覚めると何と9:00...!

やばっ、、寝すぎた!

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慌てて支度してターミナルを後に。

ってか、ターミナルの人ずっと寝かしてくれてたんだ、、。優しすぎる。感謝です。

窓の外を見る限りでは天気は曇り。 下手すると雨まで降り出しそう...。

気になって向こう一週間の天気予報を調べると、、、

なんと「全部雨マーク...。」 しかも、土日に至っては雷マークのおまけ付きだし...笑

厳しい道のりになりそうだなーと覚悟しつつ、まぁこんなところにずっと居ても仕方ないので、フェリー乗り場を出ることに。

さぁ、これからどうするか〜、とりあえず函館駅に向かうかー!と意気込んで外に出るも、風が強くてとにかく寒い!!

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半袖一枚が急に心許なく感じられる...笑

最初は適当にヒッチハイクして、捕まらなかったら函館駅まで歩けばいいやーなんて思ってたけれど、無理だと悟ったのか体が反射的にターミナルを出る運転手さんに話しかけに行く。笑

「あの〜、すみません。わたくし、○○でして〜、函館駅まで乗せて頂くことって出来ませんか??」

「あー、すみません、。そっちじゃないんで、、。」

ダメかー。

こればっかりは仕方ないと諦め、マップで駅の方向を調べて歩き出す。

うー、風が強い!

気を抜いてると、スケッチブックが飛ばされそう、、。

「おーい、おーい!」

ビュンビュン風の吹く音の中に微かに女性の呼ぶ声が聞こえる。

パッと後ろを振り向くと、さっき声をかけた運転手さんの奥さんが僕のことを呼んでいました。

「やっぱり乗せてってあげるよ。函館駅でしょ??」

え、!?わー!!本当ですか、ありがとうございます!、!

観光で函館にやってきたというご夫婦。

田舎がこっちにあるそうで、毎年函館に来るのだとか。

北海道の土地柄や天気悪いですね〜みたいな話をしてたら、函館駅に到着!

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いやー、ここまで歩いてくるのは無謀でした、、。お父さん、お母さん、本当にありがとうございました!!

無事、函館駅にたどり着いたところで、おそらく本日の観光のメインとなる「函館朝市」に向かうことに。

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着きました、函館朝市

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漁港とかの朝市はめちゃくちゃ朝が早いイメージだったけど、函館朝市は15:00までやっているらしく、お寝坊さんにとても優しい。

いやー、命拾いしたぜ、、。

9時に起きたときは終わったな、、と思いました。笑

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目まぐるしい数の海鮮たち。

お金があれば逐一味見して行きたいところだけど、今回は予算ももうあまりないので見て楽しみます。

独特の磯の香りを通り抜けながら、海鮮丼が食べられるお店を探すためドンドン奥へと進みます。

すると、目の前にあった「さきいか屋」さんのお姉さんと目が合い、話かけられたので安く食べられる海鮮丼の店を教えて貰いました。

じゃーん!海鮮丼。

ご飯大盛り+100円で¥600(税別)

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お安いっ!...素敵!

やっぱ函館に来たからには海の幸でしょ、、!

函館の味覚を堪能しつつ、その場に居たお兄さんや修学旅行生達とも仲良くなり、大満足してお店を後に。

その後は、近くでやっていたイカ釣りに興じました。

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エサとかはなくて、逆立った釣り針をイカの身体に引っ掛けます。

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成功!

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お刺身にして頂きます。

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ゲソがまだ動いていました。

尊い命に感謝ですね、、。

さて、函館朝市を堪能したところで、直ぐにヒッチハイクを開始することに。

天気があまり良くなくて、今にも雨が降りそう、、。

五稜郭函館山は諦めて、これから「札幌」を目指します。

ヒッチハイク出来そうな駐車場を見つけて、直接ドライバーさんと交渉していきます。

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スケッチブックを掲げていると、結構リアクションして下さったり、「頑張ってね」と声をかけて下さったり皆さん温かい、、!

そうして粘ること、30分。

目の前に一台の札幌ナンバーの車が駐車し、中からご家族が、、。

すかさず、会釈して自己紹介と行き先を伝える。

気さくに話を聞いて下さるご家族はとても笑顔が眩しい...!

「私たちが帰ってきてまだ居たら札幌まで乗せて行ってあげるよ〜!」

満面の笑みのお母さんが言って下さり、目の前がパーっと明るくなりました。

これで何とか札幌まで行けるかも...!

やっぱり、道民の人って親切な人が多いなー。としみじみ...。

しかし、そんなご家族のご厚意に甘えてばかりはいられないので、自分で出来る限りの努力をしようと思い、それからもヒッチハイクを再開。

あっという間に30分が過ぎる。

うーん、なかなか捕まらないなーとあぐねいていた頃、一人のスーツの男性が。

「お兄ちゃん、札幌方面のヒッチハイクなら5号線沿いに出た方が良いよ」

「そうなんですね、ありがとうございます!」

お仕事に向かう途中の忙しい中にも関わらず、親切にも教えて下さいました。

それから、5号線沿いにヒッチハイクポイントを変える途中に、ずっと遠くから見ていたというタクシーの運転手さんにもアドバイスを頂き、5号線沿いでヒッチハイクを開始!

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しかし、30分経っても車は横を過ぎ行くのみでなかなか止まってくれない。

途中、通行人の人に励まされながらも何とか粘り続ける。

早くしないと、雨降りそうだしなー。

ボードを掲げる動作を大きくしてみたりしても、、、

んー、やっぱりダメか〜、、。

さっき声をかけて下さったご家族の言葉が頭の中をちらつく。

あの方達もう帰っちゃったかな〜。

でも、帰るときは絶対この道を通るはず!

上手く見つけて貰えれば、あるいは、、、!

しかし、一方で不安も。

ご家族がいつ帰って来るのか聞くの忘れてた〜!笑

何時頃に帰って来るのか分からない。

そもそも今日中に帰って来るのか!?

あれはもしかすると北海道ジョークで、そもそも一泊するかもしれない...。笑

頭に希望と一抹の不安を抱えながらヒッチハイクを続ける。

ダメだ、、捕まらない。

行き先を「札幌」じゃなく、ICがある「大沼」にそろそろ変えてみようかなと思っていたその時。

目の前を勢いよく向かってくる車が車線を変えて、ハザードランプを点灯させながら10m程先に停車。

これは、、もしや...!?

乗せて下さるのか、、、!?

少し様子を見て、おそるおそる近づくと、、

車のドアが開き

「まだ居たー!乗っていきな!!」

元気なお母さんの声が、、!

あぁー〜〜ー〜っっつ!!!

さっきのご家族のお母さんっ!!泣

元気よく車の方に駆け寄り、晴れて「札幌」までの長距離ドライブをご一緒させて頂くことに。

皮の良い匂いがする高級感漂う車内、、。

しかもその助手席に乗せて頂きました。

「私たちが戻った後に、さっきの場所に居なかったから、もう誰かに拾って貰ったのかなーって話してて!」

「そしたら、居たからさー!!」

「本当にありがとうございます〜!!(切実)」

車内で、ヒッチハイクの流れや俄かにご家族に拾って頂けることを期待していたことも含めて説明すると、どうやら、あれからご家族もずっと僕のことを気にかけて下さっていたみたいで、、!

世の中、本当に愛で溢れてます、、。

胸がじーんとしちゃいました。

今回乗せて下さった「菊池さん」ご一家はとにかく親切な方達で、

「全然気を遣わなくて良いからね!」と常に優しく笑顔で温かい気遣いの言葉をかけて下さったり、「せっかく来たのに、函館名物のラッキーピエロに行ってないのはもったいない!」とわざわざ僕のためだけにラッキーピエロまで寄って下さいました。

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まさかまさかのハンバーガー1つ買うだけの待ち時間で40分近くもかかってしまうとは、、、。

めちゃくちゃ謝るも「気にしないで車の中で食べて良いよ」と言って頂いて、美味しく名物のチャイニーズチキンバーガーを頂くことが出来ました、、。

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お陰で後悔することなく堪能することが出来ました。

めちゃくちゃ美味しかったです、!

本当にありがとうございました、、!

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写真はお母さんから頂いた「とうきび茶」。

大阪では絶対に飲めない「とうもろこしのお茶」です!

これがまた、めちゃくちゃ美味しい。

そんなこんなで晴れて函館〜札幌の長旅がスタート。

お父さんやお母さんの広い北海道の大地を思わせるような豪快な会話や娘さんの明るい笑い声を聞いている内に、次第に緊張の糸が解けて、楽しさや居心地の良さから来る安心感がじわじわ湧いてくる、、!

途中お父さんの一声で「とうきび」を買うことに。

なんとご一緒に僕もご馳走になりました。

ありがとうございます!

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写真を見てわかるとおり、北海道では「とうもろこし」のことを「とうきび」と言うらしいです。

(最初聞いたときは「さとうきび」のことかと思いました。笑)

「甘くて美味しいです!」って僕が感想を言うと、「まだまだこんなもんじゃないぞー。旬過ぎたからあんまりだな」とお父さん。

どうやら、7月の旬のとうきびは、この何倍も美味しいらしいです。

(へぇー、次来るときは絶対7月に来よう...!)

家族みんなでとうきびを齧りながら、ドライブするシーンが北海道ならではだなーと感じて、思わずテンションが上がります!

とうきびの食べ方も人それぞれらしく、指でズラして丁寧に食べたり、歯で豪快にかぶりついたりと、ご家族の中でも三者三様の食べ方があってとても面白かったです。笑

そんなこんなで、家族の温かさに包まれながら、札幌までの長い道中は続きます。

途中、白樺の木があったり、牧場地帯を通って両脇に牛が居たりと目まぐるしく変わる景色に、「北海道は〜なんだよー。」と北海道の土地柄なんかを丁寧に教えて貰ったりもして、道中も全く退屈することなく、ずっと興奮しっぱなしでした!

特に印象に残ったものとしては、「知床」は道民でもあまり行ったことがないらしく

ヒッチハイクで行くのは大変だけど、ここまで来たからには是非行って欲しいなー。」

というお父さんの一言。

知床かー。確かに行ってみたいなー。

ふと窓の外を見ると、どんどん移り変わる景色。 車は僕たちを乗せて、この先も札幌を目指します。

道中にずっと車内で再生されていた「米津玄師」と「嵐」のライブDVDもフルで見れてもう大満足です。

そんな約300kmにも渡る長距離ドライブもいよいよ佳境を迎え、山を降りたら遂に「札幌」というところまでやって来ました。

その流れで、なんと菊池さんのご厚意で本日泊まるゲストハウスまでそのまま送って頂けることに。

名残惜しさを少し感じつつも、車は札幌の街を走り抜け、いよいよ目的地周辺というところまで到達。

約4時間にも及ぶ、長距離ドライブ本当にお疲れ様でした!!

ヒッチハイクにしては長い4時間。

お互いを知るには短すぎる4時間。

ですが、その4時間で菊池さんご家族は、見ず知らずの僕に対して抱えきれない程の愛と勇気を与えて下さいました。

ここ数日、旅をしながら、どこか心にぽっかり穴が空いたような、何だか心許ないような感情に突如襲われることがありました。

しかし、菊池さんご家族の愛や激励の言葉を受けて、そんな心細さが一気に晴れる感じがしました。

きっと、菊池さんご家族に対して、まるで限りなく自分の家族に近いものを感じていたのだと思います。

なので、最後のお別れの瞬間は、ここまでお世話になったことに対する感謝の反面、少し寂しい気持ちもありました。

本当に巡り会えて良かった、、。

この旅は、偶然の巡り合わせで出来ているけど、神様、あるいは時の運は時々、とんでもない巡り合わせを用意してくれます!

今までの道中でも何度かそんな出会いがありました!

僕は、この旅を通して出会ったたくさんの人の無償の愛に触れる中で、普段の生活ではなかなか気づくことが出来ないような「尊い感情」にたくさん出会うことが出来ました。

菊池さんご家族との出会いは、間違いなくそんな僕の中に芽生え始めた感情に惜しみない栄養と前に進むためのエネルギーを与えて下さいました。

本当に感謝の気持ちで一杯です、、。

目的地に到着し、最後のお別れに一枚撮影。

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これで、お別れです。

最後にお父さんが「困ったときは、連絡しておいで!」と名刺を渡して下さいました。

何か恩返しが出来ればな、、そういう気持ちが溢れて来ます。

僕から返せるものは何もないから、せめて、菊池さんを乗せた車が見えなくなる最後の瞬間まで、精一杯の感謝の気持ちを込めて見送りました。

お父さん、お母さん、まどかちゃん。

本当の本当にありがとうございました!!

これからも、絶対にこの気持ちを大事にしますね。

お別れしたあと、僕宛に届いたメッセージを見て、心がじーんと熱くなりました。

一度きりの偶然の出会いの筈が、その後にもずっと僕のことを気にかけて下さる方がいること。

一人じゃないんだって強く思います。

あぁ、本当に旅に出て良かった...!

そして、 僕は「知床」に到達して菊池さんにご報告出来ればそれが一番恩返しになるのではないかと考え、この瞬間にゴールを「知床」にすることを決心しました!

ということで、この先の旅路では最終目的地「知床」を目指します!