出発前夜

今日は11:00に起床した。

頭の片隅にまだまだ眠れそうな余韻を残しながらも、何とかベットから起き上がって、これから颯爽と旅の支度の続きを終わらせ夕方から花火を見に行く。

...筈だったのだけど、ふいに手にとったギターに魂を吸い取られ、ご飯も食べずにひたすら弦を鳴らし続けるロボットになってしまった。笑

一度スイッチが入ってしまうと自分では抑えられず、しまいにはパソコンを立ち上げて録音まで開始して、完全に1人の世界に没頭してしまっていた。

トイレに行くタイミングで我に帰り、ふと手元の時計を見ると何と18:00...。

咄嗟にすっと目を閉じる。

あれれ、何かの間違いかな?

人間って、受け入れ難い状況に陥った時にまず現実逃避をするものだけど、今回ばかりはいやいや、そんなことしてる場合じゃない!!

爆速で部屋中の物を片して、この度amazonでかき集めた旅グッズ達をリュックに詰めこむ。

実際にこうして詰め始めてみると、予想していたよりも意外に容量が少なくて、当初持っていく予定だった物も仕方なくいくつか置いていくことにして、着替えも必要最小限に抑える羽目になった...。

出だしからこんなので大丈夫か、俺...。なんて苦笑いしながらも、慌てて「いやいや、イレギュラーこそ旅の醍醐味でしょ、、!どんと来い!!」と心の中でキュっと緒を締める。

時計を見るとあっという間に19:00を回っていた。

早い...。

この後、バイト先の先輩の所にお邪魔して一緒に花火を見ることになっていたので、慌てて着替えて家を出た。

いっつもケツに火がつかないと動けないのヤバイよな〜なんて考えながら歩いていると、、

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とても綺麗な夕暮れだった。

これから僕は、自分の知らない世界でこういう景色をいくつ目にして何を考えるのかな。

もう見飽きたと思っていた地元の景色さえもたまにこういう自分の知らない側面を見せてくれる。

こういう日常の中で潤いを与えてくれる瞬間がたまらなく好きだ。

それから、電車を乗り継ぎおよそ一時間。

もう打ち上がってしまっている花火を先輩の元へ向かう道中で思わずパシャり。

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あれ、なんか花火って凄く久しぶりな気がするな...。

そういえば、去年は一回も見てなかったっけか。

そうこう考えている内に、ついに到着!

先輩にプチ壮行会を開いて頂いて、男2人で盛り上がった。

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外では色取り取りな花火が打ち上がる一方、蛍光灯の無機質な明かりに照らされた非常に色味のない写真。インスタ映えなんてどこ吹く風の素晴らしい一枚。

ちなみに、写真のカップ焼きそばは軽く4人前はあって、男2人でも全く歯が立たなかった。

そう、某ペ◯ングさんである。

この先輩には明日サービスエリアまでお見送りして貰えることになっているので、今日はこの流れでそのまま解散した。

帰りの電車の中、横目に映る浴衣姿の男女のその表情や仕草、匂いからは先の高揚の跡が見て取れる。

それまでは旅への実感があまりなかったのだけど、次第に、何だか少しだけ現実離れしたようなフワフワした気持ちになってきた。

僕は明日本当に行くんだろうか...。

あるいは、ちゃんと帰ってくるのだろうか。

そういえば、僕は今、確実に自宅に戻って行く電車の中にいるんだよな...。

特に深い意味はない。

車窓に写る自分としっかり目を合わせて

よし、帰って残りの支度しよう!と心の中で呟いた。